富士川町の白ポスト探索を総括する
書く書くと言っておきながら既に三か月。コロナ騒ぎですっかりダウナーモードに入っていたが、ようやく書く気力が出てきたのでまとめてみる。
2019年11月に山梨県富士川町の白ポスト、全16基中、12基までを発見した記録の総括である。まずは富士川町の白ポスト設置状況を地図で見て頂こう。
丸数字部分が白ポストの設置個所である。
このうち6)の町民体育館は取り壊しとなっていて白ポストは発見できなかった。
また、12)平林生活改善センター、13)ゆずの里ふれあいセンター、16)交流センター塩の華の三か所はいずれも富士川町の中心部からは距離が離れており、時間切れで往訪がかなわなかった。
富士川町の白ポスト一挙掲載
それでは、発見できた12の白ポストと、発見に至らなかった4か所については写真もしくは、ストリートビューでご紹介していこう。
富士川町の見どころは、この町オリジナルの白ポストを展開している点である。山梨県では県主導で白ポスト設置を行っているため、ほとんどの地域で同一形状の白ポストが設置されているのだが、その数少ない例外が富士川町なのである。
1)最勝寺公民館
こちらが富士川町オリジナルタイプの白ポストである。木製で直方体型。側面をL字型の金属フレームで補強している。屋根は背面に向かって傾斜しているが、特筆すべきはこの屋根部分が前面に開口し、回収口となる斬新なデザインとなっている。
詳細な往訪レポートはこちらを参照のこと。
2)天神中条公民館
同様に富士川町オリジナルタイプである。
富士川町タイプの面白いところは、ほぼ全ての白ポストがワンオフ。つまりその場所専用に作られたものではないかと思える点にある。それゆえに基本的な構造は似ていながらも、微妙に形状やデザインが異なる。これは、白ポストマニア的には堪らない。
詳細な往訪レポートはこちらを参照のこと。
3)大久保公民館
正面から撮影しているので、屋根と投函口上の部分に蝶番状のパーツが確認できるはずである。この部分を起点として屋根が前面に開口するのである。
なお、設置個所の大久保公民館そのものも、非常に味のあるクラシカルな建物なので一見の価値アリである。
詳細な往訪レポートはこちらを参照のこと。
4)𣇃米(つくよね)公民館
難読地名、𣇃米(つくよね)の白ポストである。ややずんぐりとした形状で、屋根の傾斜も浅い。
なお、𣇃米公民館の創建は昭和3(1928)年と非常に古く、国指定の登録有形文化財にも指定されている。𣇃米集落は棚田の光景も美しく、今回の富士川町往訪のハイライトとも言える場所であった。
詳細な往訪レポートはこちらを参照のこと。
5)小林公民館
灰皿とセットで設置。
富士川町の公民館配置の白ポストに多い現象として、喫煙スペースを兼ねているという点がある。というか、喫煙スペースに白ポストが置かれていると言うべきか。何故か灰皿とセットで置かれているあたり、そこはかとない哀愁を感じてしまうのである。
詳細な往訪レポートはこちらを参照のこと。
6)町民体育館前
発見できず。
富士川町の町民体育館は取り壊しとなっていて、その煽りを受けたものか、白ポストも撤去されてしまったようである。この場所の再開発が終わった際に、白ポストが再配置されるかどうかが気になるところだ。
7)長沢公民館
富士川町オリジナルタイプ。こちらは公民館の玄関前に設置されており、灰皿などは置かれていなかった。
詳細な往訪レポートはこちらを参照のこと。
8)長沢下宿集会場
集会場は、公民館よりはやや規模の小さな公共スペースであるようだ。一見すると民家のように見える。
この場所に設置されている白ポストはやや細長のスリムタイプ。設置個所の狭さに合わせた改変であろうか?
詳細な往訪レポートはこちらを参照のこと。
9)コミュニティ大椚
大椚は「おおくぬぎ」と読む。これまで富士川町オリジナルタイプが続いてきたが、ここで初めて、山梨県の標準タイプが登場する。富士川町では、町オリジナルのものと、山梨県標準タイプが混在して設置されているのである。
ただ、灰皿と一緒に置かれてしまう宿命からは逃れられていないようだ。
詳細な往訪レポートはこちらを参照のこと。
10)青柳(公民館)体育センター前
富士川町オリジナルタイプの白ポストである。
富士川町の資料では「青柳体育センター前」とあるのだが、実際の建物名称は青柳公民館であった。名称が変わったか?
詳細な往訪レポートはこちらを参照のこと。
11)青柳5丁目交差点
富士川町オリジナルタイプの白ポスト。
ファミレスガストの目の前にある白ポスト。ファミレスは24時間営業であろうから(コロナ前は)、常に人目があり、さぞかし投函しにくかったのではないだろうか?
詳細な往訪レポートはこちらを参照のこと。
12)平林生活改善センター
平林地区は山岳地帯であるが故に、泣く泣く往訪を諦めた。奥に見える建物が平林生活改善センターではないかと思われる。ストリートビューのカメラが建物の前まで入っておらず、残念ながら白ポストは発見できなかった。
13)ゆずの里ふれあいセンター
ゆずの里ふれあいセンターは富士川町小室地区にある公共施設である。こちらも山岳地域にあったため往訪を断念した場所だ。
ストリートビューでギリギリまで迫ってみたが、入り口の看板、向かって左側に、富士川町オリジナルタイプの白ポストが設置されていることがわかる。
14)商工会鰍沢出張所
こちらは、山梨県標準タイプの白ポストが設置されていた。
詳細な往訪レポートはこちらを参照のこと。
15)鰍沢口駅
JR身延線の鰍沢口駅、駅舎向かって右に設置。山梨県標準タイプである。
ちなみに、鰍沢口駅は市川三郷町に属する駅だが、旧鰍沢町(2010年に増穂町と合併し富士川町となった)の玄関口でもあるせいか、「富士川町の駅」的な主張を感じる。
富士川町の白ポストの設置個所として、鰍沢口駅が指定されているのもその一環なのではないだろうか。
詳細な往訪レポートはこちらを参照のこと。
16)交流センター塩の華
こちらも時間が無くて往訪を諦めた場所である。交流センター塩の華は、富士川町の文化展示、郷土食の提供等を行っている施設である。
ストリートビューで追ってみると、公衆トイレの向かって右側面に、山梨県標準タイプの白ポストの姿が確認できた。
まとめ
ストリートビューの力を借りて、往訪がかなわなかった3か所のうち、2か所で白ポストの存在を確認することが出来た。結果として、今回の根拠史料として使わせていただいた、広報ふじかわ平成23年8月号[PDF]。記載の16か所中、14か所までは現存が確認できたということになる。
富士川町は自然の豊かな自治体で、レンタル自転車で町内を巡回させて頂いたが、非常に快適な一日を過ごすことが出来た。機会があれば是非再訪して、未発見に終わった白ポストの探索に出向きたいところである。