富士川町ではレンタサイクルがおススメ!
先日は鰍沢口駅のレポートでも言及したが、この日の探索の主目的は富士川町の白ポスト調査である。往訪は2019年11月。
富士川町(ふじかわちょう)は、2010年に鰍沢町(かじかざわちょう)と増穂町(ますほちょう)が合併して誕生した町である。
富士川町の最寄駅は身延線の鰍沢口駅だ。しかし、鰍沢口駅は富士川町の最寄駅ではあるものの、市川三郷町に所属する駅である。駅から数十メートル程歩けば、富士川町に入るのだが、町域のほとんどは富士川の右岸側に存在する。
結局のところ、何が言いたいかと言うと、富士川町には鉄道駅が無いのである。鰍沢口駅からはコミュニティバス(平日時刻表[PDF]/休日時刻表[PDF])も出ているのだが本数が少なく今回は使えなかった。よって、富士川町へ徒歩で潜入を試みた。
鰍沢口駅を出てほどなく富士川に突き当たる。そこから北上して、富士川大橋を渡る。この地点では笛吹川と、釜無川が合流しておりここから先が富士川ということになる。かつて川と川の合流点は物流の集積地であった。鰍沢が古くは舟運で栄えたという話もうなずける。
富士川大橋を渡りきると左手に道の駅富士川が見えてくる。距離にして3キロ弱。
今回は現地の足として、道の駅富士川にてレンタサイクルを借りた。道の駅富士川のレンタサイクルについてはこちらを参照のこと。なお、レンタサイクルコーナーがあるのは、奥の展望塔のある建物である。
CannondaleやTREK、MERIDAなど、ガチのスポーツサイクルが3時間500円でレンタル出来る夢のような仕組みなのである。YAMAHAの電動クロスバイクなんかもあるみたい。
わたしが今回お借りしたのはこちら。TERKのクロスバイク。きちんと整備されておりピカピカである。富士川町観光では、是非ご検討頂きたいシステムである。ただ、数が限られているので、事前予約はしておいた方が良いかと思われる。
富士川町の白ポスト設置状況
さて前置きが長くなった。本題に入ろう。
富士川町の広報誌「広報ふじかわ」平成23年8月号による、町内の設置状況は以下とされている。その数はなんと16基。人口15,000弱の市町村としてはかなり多い方だろう。
町内の白ポスト設置場所
1)最勝寺公民館
2)天神中条公民館
3)大久保公民館
4)䕎米公民館
5)小林公民館
6)町民体育館前
7)長沢公民館
8)長沢下宿集会場
9)コミュニティ大椚
10)青柳体育センター前
11)青柳5 丁目交差点
12)平林生活改善センター
13)ゆずの里ふれあいセンター
14)商工会鰍沢出張所
15)鰍沢口駅
16)交流センター塩の華広報ふじかわ平成23年8月号[PDF]より ※番号は筆者が補記
この位置関係をGoogleMap化したものがこちら。番号は上記の一覧の順に合わせてある。
このうち、(15)の鰍沢口駅については先日、ご紹介したとおりである。
再三お伝えしている通り、鰍沢口駅は厳密には富士川町ではないのだが、町の玄関口なのだからいいじゃん!という事なのだろう。
また、以下の三か所については遠方過ぎるため、残念ながら確認を見送った。従って白ポストの存在は確認できていない。
12)平林生活改善センター
13)ゆずの里ふれあいセンター
16)交流センター塩の華
特に、平林生活改善センターのある平林、ゆずの里ふれあいセンターのある小室は標高700メートルを超える山岳集落である(富士川町市街地の標高は250メートル程度)。これは一日かけるつもりで予定を組まないと往訪は難しい。いずれ再訪して、リベンジを果たしたいところである。
富士川町オリジナル白ポストへの期待
ところで、今回の富士川町の白ポスト探索にあたり、筆者は一つの期待を胸に抱いていた。
富士川町オリジナルの白ポストがあるのでないか?
という期待である。
これまでに20基程、山梨県の白ポストを紹介してきた。しかしそれらは四方津駅のような一部の例外を除いて、みな共通のデザインであった。こんな感じね。
山梨県は、県ぐるみでの白ポスト活動を推進しており、市町村を問わず、ほぼ全てのデザインが共通化されているのである。
ところが、山梨県における白ポスト事業を管掌していると思われる青少年育成山梨県民育成会議事業のHPには気になる記述があるのだ。
富士川町
町体育館
町設置12カ所青少年育成山梨県民育成会議事業:H28年度白ポスト利用状況[PDF]より
町設置12か所!つまり、富士川町では山梨県が県単位で実施している試みとは別に、町独自の白ポスト設置活動が行われているというのである。
これは、白ポスト研究家としては昂る記述である。
町が独自に置いている白ポストなのであれば、町独自のデザインになる筈!そんな期待を秘めて、筆者はレンタサイクルのTREKを走らせていたのである。
天神中条公民館の白ポスト
ということで、今後はマップのナンバリング順にご紹介していく。
(ゴメン、とか言いながらこれマップナンバー2だった)
結論から言うと、富士川町オリジナルデザインの白ポストは存在した!
お待ちかね。こちらが富士川町タイプの白ポストである。やはり山梨県タイプとは全くデザインが異なる。
直方体タイプで本体の素材は木製。但し、側面やポスト投函口などは金属フレームで補強がなされている。
後ろ側面から撮影したのがこちら。ポストの屋根部分は後方へ傾斜していることが判る。
そして後ろからもう一枚。植木鉢に隠されていて、残念ながら細かい部分の形状は確認できなかった。回収口も確認できず、これは反対側の側面に設けられているのかもしれない。
※2020/1/3追記
屋根部分の前面をよく見ると蝶番のような構造が見て取れる。おそらく屋根の部分が上に向かって開口するデザインなのではないかと推測できる。
続いて、公民館の全景図。この後のエントリでもご紹介していくが、富士川町の公民館は良い感じに古びた木造建築ばかりで、一つとして似たようなものが存在しない。実に味のある建造物ばかりで、実に興味深かった。
中条天神地区の公民館は木造二階建て。重厚感を醸し出す、黒いタイル張りの一階入り口部分と、それ以外のシンプルな壁面とのコントラストが印象的である。
白ポストは公民館入り口の向かって右手に設置されている。ポストの前には喫煙用の灰皿。周囲は植木に取り囲まれており、ものすごく投函しにくいような気もするのだが、果たしてどの程度稼働しているのだろうか。
最後にストリートビューでも見ておこう。こちらは向かって左側からの視点で切り出してみた。こちらの方が、実際の位置関係が掴みやすい筈である。
以上、富士川町のシリーズとして、今回は中条天神公民館前の白ポストをご紹介した。
しばらくは富士川町の白ポスト紹介を続けていくつもりなのでお楽しみに!