小田原市の白ポストの撤去理由
あけましておめでとうございます(←遅い)。
諸般の事情により遅れていたが、昨年末に実施した神奈川県小田原市の、白ポスト探索レポートを一挙にお届けしたい。
神奈川県最大の白ポスト王国、小田原市の白ポストが撤去された件については、昨年6月の記事でお伝えした。
理由は、以前にも書いたが、再掲すると以下の通り。
青少年環境浄化団体等支援事業
有害図書類の回収については、青少年の情報への接し方が紙媒体からデジタルに変化し、有害図書類の回収量が減少したことから、令和2年度から2年間で有害図書類の回収箱(白ポスト)を順次、撤去する。
当該部分を抜き出した画像がこちらである(赤線部は筆者)。
青少年のアダルトメディアへの接点が、紙からデジタルに変化したこと。これによって、白ポストによる回収量の低下が理由となる。デジタル全盛の現代である。時の流れが、小田原市の白ポストにも迫ってきたというわけだ。
小田原市に存在していた13の白ポスト
以下に示すように、小田原市内の11駅に13基もの白ポストが設置されていた。設置個所をマップ化したものがこちら。
それぞれの、在りし日の設置状況は2017年のこちらのレポートを参照いただきたい。
今回は、小田原市内の白ポスト全13基の「撤去を確認」する、白ポスト愛好家としては少々(かなり)寂しい企画である。2017年のレポートと対照しやすいよう、路線別に同じ順番で報告していきたい。
箱根登山鉄道沿線
まずは箱根登山鉄道沿線から。箱根登山鉄道では、唯一箱根板橋駅にのみ、白ポストが設置されていた。
〇箱根板橋
こちらが当時の白ポスト。直方体タイプで、奥行きのある大容量タイプ。
箱根板橋駅は2018年に駅舎がリニューアルされ、かなり雰囲気が変わってしまったのだが、引き続き白ポストは設置されていたようだ。現地では、かつての痕跡のみを確認することが出来た。
大雄山線沿線
大雄山(だいゆうざん)線では井細田(いさいだ)駅と、五百羅漢(ごひゃくらかん)駅に白ポストが設置されていた。
〇井細田
駅ホームの小田原寄りの位置に白ポストは設置されていた。小田原市における白ポストのベーシックスタイル。平べったく、奥行きが狭い。省スペース型の直方体構造だった。
白ポスト撤去後は、飲料の自販機が設置されてしまい、かつてを偲ぶことはできなくなってしまった。
〇五百羅漢
五百羅漢駅の白ポストは、駅構内の改札手前に設置されていた。
屋内設置であったためか、白ポスト撤去後は、かつてを偲ばせる設置痕などは見つけることが出来なかった。微妙な空間だけが残っている。
小田急線沿線
蛍田(ほたるだ)、富水(とみず)、栢山(かやま)の三駅に設置されていた。なぜか足柄駅には置かれていなかった。
〇蛍田
西口の駅舎、向かって左側に設置されていた。
現在はこんな感じ。足元を見ると、設置痕が確認できる。
〇富水
東口の駅舎右手に設置されていた。
現在は小田急関連のチラシラックが置かれていた。
〇栢山
東口の右手に設置されていた。
現在はこんな感じ。
JR線沿線
最後にJRである。東海道本線の国府津(こうづ)、鴨宮(二か所)、小田原(二か所)、早川、そして御殿場線の下曽我駅に設置されていた。
〇国府津
駅構内入って階段手前の右側に設置されていた。
現在はこんな感じ。かろうじて設置痕が伺える。
〇鴨宮
鴨宮駅には北口と南口それぞれに白ポストが置かれていた。
北口は橋上駅の改札を出て、階段を下りた左手に。
現在はこんな感じ。よーく見ると、うっすらと設置痕が確認できる。
南口は、階段を下りて右手。郵便ポストと並んで設置されていた。
現在はこちら。郵便ポストだけが寂しく立っている。
〇小田原
市内最大の駅小田原駅には、東口と西口それぞれに白ポストが置かれていた。
こちらは小田原駅東口側の白ポスト。ペデストリアンデッキを右側に降りた下にあった。小田原市の白ポストは、小田原駅に置かれていた二基だけ、ステンレス製の特別タイプだった。他と明らかにデザインが異なる。
現在はこちら。足元を見ると、かろうじて当時の名残が残る。
小田原駅西口に置かれていた白ポストはこちら。駅を出て左手。バスロータリー沿いに置かれていた。バックの北条早雲像から、だいたいの位置がわかるはずだ。
現在の姿こちら。ほとんど当時の痕跡は確認できなかった。
〇早川
早川駅の白ポストは、駅舎を出てすぐ右手の壁面沿いに設置されていた。
現在の姿がこちら。壁面と、足元部分にかつての名残が確認できる。
〇下曽我
最後に下曽我駅の白ポスト。駅名標からわかる通り、JR西日本所属の駅となる。
白ポストは駅舎を出て左側に置かれていた。下板橋駅タイプに似ている。
現状はこちら。設置痕は確認できなかった。
次は白ポストを撮りに行きたい!
以上、更新が遅くなってしまったが、2021年末に実施した、小田原市のレポートをお届けした。いちにちかけて回って、「白ポストがない」ことを確認してまわるのは、前提として不毛な白ポスト探索の中でも、特に不毛な作業と言える。世の流れとはいえ哀しい。
現在はオミクロン株が大流行で、気が抜けない状態が続くが、感染が落ち着いたところで、次こそは新規の白ポストを撮影しに出かけたいものである。
ということで、本年もどうかよろしくお願いいたします。皆さまもどうかご無事で!