赤いマスクの白ポストシリーズ第三弾
ご近所自治体の白ポストはデザインが似てくることがあるよというお話の三回目。
兵庫県相生市、赤穂市と続いて、今回は県境を越えて岡山県に入り、備前市の白ポストをご紹介したい。上記の三市は県境を間に挟むが、いずれも瀬戸内海に面し、それぞれが隣り合っている自治体である。
備前片上駅は岡山県備前市にある、JR西日本赤穂線の駅である。相生駅から数えると9つめの駅になる。
備前片上駅の駅舎はこんな感じ。武骨なコンクリートブロック積み。質実剛健といった趣の風貌である。目指す白ポストは駅舎向かって右手端に設置されていた。この写真は構図的にいい感じに収まっていて、わりと好きな一枚だったりする。
駅舎の紹介をしたので今回は先にストリートビューでの確認もやってしまおう。
ストリートビューのカメラは残念ながら、駅ロータリー内にまで入り込んでいないので、 距離が遠いうえに光の反射でわかりにくいのだが、赤い自販機の左手に支柱のようなものが確認でき、おそらくこれが白ポストではないかと思われる。
備前片上駅の白ポスト
ということで、こちらが備前片上駅の白ポスト。相生駅、赤穂駅同様に「白ポスト」の文字部分の赤色の背景が敷かれていることが特徴的である。赤マスク型に分類して差支えないであろう。撮影は2008年。
左から見た図がこちら。
鍵は南京錠による外部鍵タイプ。鍵を固定する部分がかなり大きめに作られており、印象的な意匠と言える。相生駅、赤穂駅の白ポストは回収口が手前に開いたが、備前片上駅版は奥に向かって開く。この点は相違しているようだ。
回収口の上部には小さな庇型の構造も見て取れる。これは内部への雨水の侵入を防ぐために設けられたものではないだろうか。屋外設置の白ポストとして、地味ながら重要なパーツと言える。
続いて右から見た図。
支柱は角柱タイプでこれは良く見かける構造だが、注目すべきは台座部分である。なんと優雅にも半月型!オシャレなクレセント仕様なのである。前後の安定性が著しく欠けるのではないかと思われるが大丈夫なのだろうか。
屋根部分の構造は前面部分が折れ曲がっており、こちらも投入口を雨水の侵入から守るための意味があるのではないかと思われる。
赤マスク型の3ポストを比べてみよう!
左から赤穂市型、相生市型、備前市型である。3つ並べてみるとそのデザインの類似がわかりやすいのではないだろうか。共通点をまとめてみよう
1)「白ポスト」文字背景部分の赤い地の部分(赤マスクデザイン)
2)本体が直方体
3)屋根の前面が折れ曲がっている
4)回収口が左側に設けられている
若干強引にまとめた部分を感じないでもないが、ある程度類似していることはご理解いただけたのではないかと思う。
最初にも述べたが、赤穂市、相生市、備前市は隣接した自治体である。これらの三市を山陽本線、赤穂線が東西を横切っている。山陽自動車道や国道120号が走っている点でも共通している。
最初に作られた赤マスク型白ポストが、いずれの自治内のものであったのかは、詳らかに出来ないが、続いて白ポストの設置を考えた自治体が近隣の自治体の「先例」に倣うことは十分に予想が出来る。
なお、備前市の白ポストについては、45山さんの終末観光にて複数の確認事例が紹介されているのでご紹介しておく。