小田原市の白ポストを形状別に分類する
やるやると言って放置していた、小田原市内13基の白ポストを形状別に分類してみよう!という不毛な試みをようやく実行に移してみた。
大きく分けるとステンレス製のA型、スチール製で厚みのあるB型、スチール製で細身仕様のC型、以上3つのタイプに分類出来る。B型は更に2つのタイプに、C型に至っては5つのタイプに細分化が可能である。
では、実際の画像を見比べて頂きながら、小田原型白ポストの微細な違いの奥深さをご堪能頂きたい。
「小田原A型」ステンレス構造のイマドキタイプ
〇設置場所
〇特徴
いつでもピカピカ、錆び知らずのステンレス素材を用いた小田原市型白ポストの最新タイプである。真新しく見えるが「広報おだわら(1994年4月15日号)の2P中段」によると登場は1994年とあり、20年以上の歴史を持つ白ポストである(代替わりはしているのかもしれないが)。
直方体の形状を持ち、天板部分が背面に大きく切れ込んでいるのが特徴。本体正面に描かれた、子どもたちを忌まわしき悪書から遠ざけようとする為政者側の白い手を図案化したシンボルマークが、なんとも印象的である。
〇寄贈元
いずれも「小田原松風ライオンズクラブ」
小田原の白ポストの特徴として寄贈元が複数存在することが挙げられる。各種公共団体が、それぞれの予算を捻出して白ポストを供出したのだろうか。
「小田原B型」は大容量対応の肉厚タイプ
〇設置場所
箱根板橋駅(B1型)<箱根登山鉄道>
下曽我駅(B2型)<JR御殿場線>
〇特徴
奥行きのある肉厚の大容量型である。どっしりとした台座を持ち、天板部分は前方に大きく傾斜している。回収用の取り出し口は向かって左側に設置されてている。
B型はカラーリングと固定用金具の有無から更に2種類に分類出来る。
B1型(箱根板橋駅)は、小田原型白ポストの基本カラー(赤、青、緑)が踏襲されており一目でそれと判る配色がなされている。台座部分は前方傾斜型。
B2型(下曽我駅)はB1型で顕著であった三色が用いられておらず、白色ボディに緑色のみ(その後青)のシンプルな塗装である。台座は撮影時は前方傾斜型であったが、のちに傾斜無しのタイプに改められている。また、本体上部の左右に固定用の金具が取り付けられているが、これは小田原の全白ポスト中、B2型にのみ見られる注目すべき特徴である。
〇寄贈元
箱根板橋駅(B1型)は「小田原市社会福祉協議会」と「善意銀行」。
下曽我駅(B2型)は不明。
「小田原C1型」は薄型ボディで前方傾斜型の台座を持つ
〇設置場所
井細田駅(C1a型)<大雄山線>
五百羅漢駅(C1a型)<大雄山線>
富水駅(C1b型)<小田急線>
栢山駅(C1b型)<小田急線>
〇特徴
スタイリッシュな薄型で、白地の本体に赤、青、緑の三色が配された、小田原の白ポストでもっとも典型的なタイプをC型とした。
C型のうち、前方にせり出した台座を持つものがC1型である。本体が薄くなった分、転倒のリスクは高まるわけで、安定性向上の視点からおろそかに出来ない工夫であると言える。
更に投函口を指し示す赤い矢印部分が長いものをC1a型(井細田駅、五百羅漢駅)、逆にそれが短いものをC1b型(富水駅、栢山駅)と無理やり分けてみた。前者は大雄山線設置であり、後者は小田急線設置である。設置路線によって、製造時期が異なり、結果として外観に差異が出たのではないかと推測している。
〇寄贈元
井細田駅(C1a型)は「小田原市社会福祉協議会」と「善意銀行」。
五百羅漢駅(C1a型)は「小田原白梅ライオンズクラブ」。
富水駅(C1b型)は「小田原喫茶業組合」。
栢山駅(C1b型)は「小田原白梅ライオンズクラブ」。
となった。寄贈元により形状の違いが出ているのではと思い、わざわざ書き出してみたのだが残念ながら寄贈元が同じだからと言って、形状や見た目も同一になるわけでは無いようである。
「小田原C2型」は薄型ボディで台座の前方せり出しが無い
〇設置場所
鴨宮駅南口(C2a型)<東海道線>
蛍田駅(C2a型)<小田急線>
国府津駅(C2b型)<東海道線>
早川駅(C2b型)<東海道線>
〇特徴
C型のうち、台座部分が前方にせり出していないものをC2型とした。C1型と比較して、省スペースであるものの、安定性に欠けるため、転倒のリスクが高まることが不安要素である。
C1型と同様に、投函口を指し示す赤い矢印部分が長いものをC2a型(鴨宮駅南口、蛍田駅)、逆に短いものをC2b型(国府津駅、早川駅)としている。唯一早川駅に置かれているもののみ、転倒防止用にワイヤーで固定されていた。
〇寄贈元
鴨宮駅南口(C2a型)は「小田原白梅ライオンズクラブ」。
蛍田駅(C2a型)は「小田原市社会福祉協議会」と「善意銀行」。
国府津駅(C2b型)は「小田原市社会福祉協議会」と「善意銀行」。
早川駅(C2b型)は「小田原市社会福祉協議会」と「善意銀行」。
となった。寄贈元として「小田原市社会福祉協議会」と「善意銀行」が最大勢力であることは分かったが、形状の違いがなぜ出てくるのかについては、依然不明のままである。
「小田原C3型」は薄型ボディで台座の前方せり出しが無く天板に傾斜がある
〇設置場所
〇特徴
薄型の本体で、前方にせり出した台座を持たない点はC2型と同様だが、天板部分がフラットになっておらず、前面傾斜型の構造になっている点が相違点である。
〇寄贈元
「小田原市社会福祉協議会」と「善意銀行」。寄贈元は同じなのに、同じ駅に設置されている南口タイプと、なぜにしてここまで構造が異なるのか悩ましい限りである。
無理やりまとめてみたが、法則性はあまり……
以上、小田原市内の白ポスト13基を見た目別に分類した結果である。正直言って、画像の切貼りをしたり、寄贈元を調べたりと、時間はかかったが、成果はイマイチというか、大した法則性も見いだせず、ぐぬぬという煮え切らなさだけが残った感。
しかしながら、小田原型白ポストの「微細な違いの奥深さ」を少しでも楽しんでいただければ幸いである。
なお、路線別のまとめはこちら。MAPもあるよ。